本記事では、腕立て伏せ体操フォームの審査基準9つのチェックポイントを詳しく解説し、腕立て伏せ体操の競技で高得点を出す為のテクニックやコツもレクチャーしていきます。
⭐腕立て伏せ体操に必要なアビリティ
筋肉操作❌美しさ❌かっこよさ❌技術❌安定性❌重力無視❌超集中力❌正確無比
⭐腕立て伏せ体操とは?
体操は訓読みで「からだをあやつる」と読みます。腕立て伏せで「身体を思うように操る」をコンセプトに腕立て伏せ体操は開発されました。 制限時間30秒で規定回数45回の腕立て伏せを行い、技の難易度・美しさ・安定性など身体能力や技術を基準に採点を行い、その演技得点を競う競技(アーティスティックスポーツ)。
⭐完璧なフォームを争う新競技「腕立て伏せ体操」の競技力向上をテーマに「特異性の原則」と「筋肉の連動性」を観点に解説した記事です。
⭐現時点での30秒間ハイスピード腕立て伏せ世界最高のフォームです。
腕立て伏せ体操のフォーム審査基準一覧 / 演技構成点 (100点)
❶顔から両肩、腰、足先にかけ体が一直線にキープできているか
❶Keep Body Straight line 30点
アビリティ加点ポイント
身体が終始(45回とも)、一直線をキープ出来ている 30点
身体が一直線をキープ出来ている回数 2回~44回 1点~29点
身体が一直線をキープ出来ている回数 1回以下 0点
❶は完璧で美しい腕立て伏せに最も必要な要素であり最も難しい項目なので演技構成点も1番の高得点になっています。
ポイント計算式
0.666×一直線キープ回数=得点
例:身体が一直線をキープ出来た回数30回の場合➡0.666×30回=20点
「身体が一直線をキープ出来ている」を審査するにあたり、最も見るポイントは、骨盤「寛骨」の位置です。寛骨が下がっているとお腹が落ちているように見えて腕立て伏せのフォームが腰を起点に曲がって見えてカッコ悪いフォルムになるので、いかにスピードを維持したまま寛骨を高い位置でキープ出来るかが高得点の鍵でかっこよさを上げるポイントです。
ちなみに私のフォームを自己採点している時は、ちょうど寛骨の位置にある赤のロゴシールPUSH-UP THE HEROのPUSH-UPのUPの「P」の文字が見えるか見えないかで判断しています。
※1つ上の画像参照
腕立て伏せが得意で正しいフォームを心掛けして練習をしている人なら1秒に1回以下の普通のペースなら多くの人が綺麗な腕立て伏せを行えると思います。
しかしスピードが1秒に1.5回以上にペースアップするとほとんどの人の腕立て伏せのフォームが崩れていきます。特に顕著に変化するのが腰のラインが下がり「腹が落ちる」こと。
2つ上の画像は、体が一直線にキープ出来ているケースでこのフォームをキープして45回繰り返す事が可能であれば30点満点も夢ではありません。
※画像はフィニッシュポーズでもスタートポジションでもなく腕立て伏せ最中のものです。
最も駄目な一例は下の写真のように、腕立て伏せ最中に腹が落ちて体のラインが曲がることです。これは30秒間51回の記録を出した時でスピードが上がり過ぎたために体を操りきれずにフォームが大きく崩れました。
そう。腕立て伏せのフォームを崩さずにスピードアップするスピード腕立て伏せは非常に難しいテクニックなのです。
理想の「一直線フォルム」は腕立て伏せの態勢(スタートポジション)のフォルムで腕立て伏せ45レップ全てで表現すること。これを体現するのは最難関であり100点満点を取るには避けられない道なのです。
この項目で30点を取れれば、間違いなく基本的なカッコいいフォームが身に付きます。
「重力を無視した身体を地面から浮かせる力強さと美しさ かっこよさ」を極めてアーティスティック・プッシュアップの領域を目指しましょう!
身体を一直線にキープする為に不可欠なコアマッスル筋肉の鍛え方と効果について解説!
❷肘(腕)は180度まっすぐ伸びているか
❷Elbow Straight 180Rate 20点
アビリティ加点ポイント
パーフェクト 20点
パーフェクト以外 0点~19点
腕立て伏せマシン利用時は、ノーミスのパーフェクトで20点、肩センサーのカウントミス1回につきマイナス1点の減点になり20回ミスをすると0点になる仕組みです。(目視でもチェックする)。一般的なチャレンジは目視のみで、スロー映像で肘が180度伸びていない回をカウントし、同様に減点していきます。
❷も完璧で美しい腕立て伏せに必要な重要な要素であり、世界の腕立て伏せマスターでも1秒間に1回以上のスピードゾーンになると肘が伸びていないケースが圧倒的に多く、腕伸ばしを完璧にマスターするには高度なテクニックと反復練習が必要な項目なので演技構成点も高得点になっています。
肘を伸ばす行為は、ゆっくりとした動作で行う腕立て伏せでは普通に出来る人ても、ハンドスピードが上がると不思議なほど全く出来ないというパターンの人がほとんど大多数を占めています。
簡単なようで難しく筋力よりむしろテクニックの方が重要になってくるのがこの項目です。
例えば、胸が床についているかの確認は、肌の触感や目でも確認も出来ますが、肘が伸びているかの確認は、スロープッシュアップなら可能ですが、ハイスピードプッシュアップでは触感や目で確認する事は出来ません。
腕立て伏せの経験を積めば、スピード環境下の中でもある程度おおまかな感覚で肘の伸びた感じが判断出来ますが、肘を何度まで伸ばしたとか微細なところまでは分かりません。
普段、腕立て伏せの練習で撮影しない人や、肘の伸ばしを全く意識してこなかった人へ。
一度、自身の本気のスピードで「肘を目一杯伸ばすことをテーマ」に30秒間腕立て伏せにチャレンジしその模様をスマホで動画撮影してみて下さい。
断言しましょう。100%の確率で自分の想像するイメージよりはるかに肘が伸びていない映像を見ることになります。「しっかり腕を伸ばしたつもりなのに全然伸びてないやん」と
それほど難しいことなので、素人も玄人も必ずビデオ撮影をして毎回肘の伸びをチェックして修正、改善を行うことで少しずつ肘が180度に近づいていきます。
修正、改善には特に「意識」「超集中力」のマインドマッスルコネクションが重要です。
肘伸ばしの精度を上げる為には、超集中力を発揮しやすい10秒間腕立て伏せのトレーニングが効果的です。
❸手の平の直線上に胸が床につくまで体を下げているか
❸Strict Full-range FORM 20点
アビリティ加点ポイント
フルレンジ・パーフェクト 20点
ハーフレンジ・カウントミス 0点~19点
腕立て伏せマシン利用時は、ノーミスのパーフェクトで20点、胸スイッチのカウントミス1回につきハーフレンジ扱いでマイナス1点の減点になり20回ミスをすると0点になる仕組みです。それ以外の一般チャレンジは、床に胸がついていない回をカウントし、同様に減点していきます。
❸も完璧で美しい腕立て伏せに必要な重要な要素であり完璧にマスターするには水準以上の筋力とパワーが必要な項目なので演技構成点も高得点になっています。
腕立て伏せの難易度を決定づける最大の要素が「身体可動域」です。
可動域はフルレンジ、ハーフレンジ、クォーターレンジの3種類あり、身体負荷が大きく変わります。
分かりやすく可動域の程度を例えると
フルレンジ・プッシュアップは、『筋肉体操』
ハーフレンジ・プッシュアップは、『世界基準』
クォーターレンジ・プッシュアップは、『筋肉番付』
腕立て伏せの可動域でどれだけ回数が落ちるかを比較した動画があります。
動画で見ると一目瞭然で、フルレンジはクォーターレンジの約4倍の可動域になり、回数は半分以下になります。
日本では、筋肉体操が放送されブームになったものの、まだまだフルレンジ・プッシュアップは国民に浸透しておらず、筋肉番付式の浅い可動域で行っている人が大半です。
意外にも世界でもフルレンジ・プッシュアップで行っている人は、正しい腕立て伏せをレクチャーするハウツーものくらいで、腕立て伏せチャレンジ(Push-Up Challenge)と題して高速腕立て伏せをしているチャレンジャーたちは、ほぼクォーターレンジからハーフレンジの可動域が世界基準になってしまっています。
20点を狙うには、全レップでミスすることなく胸を床につけるまで体を下げ、可動域幅を正確無比にコントロールする能力が必要です。集中力が切れたり、後半に筋持久力が落ちて疲労してくると無意識に可動域が浅くなりミスに繋がります。
練習方法はフルレンジの完全可動域でひたすら反復練習しパワーとスタミナをアップさせるのみです。「肘まっすぐ伸ばし」と違った初心者には高い筋力が必要なハードルが高いテクニックですが、地道な繰り返しがいつか実を結び結果を生むので、フルレンジ・プッシュアップで一回づつ回数を増やしていきましょう。
❹30秒間通しで規則正しい精密なリズムで出来ているか
❹Accuracy Precision Rhythm 5点
アビリティ加点ポイント
前半も中盤も後半も同じリズムとペース 5点
前半or中盤or後半のリズムとペースの度合い 1点~4点
前半も中盤も後半も違うリズムとペース 0点
完璧さには「正確さ精密さ」も含みます。
いかに「制限時間30秒間」「規定回数45回」のルールの中で正確に1秒間1.5回のペースを精密に刻み筋肉操作が出来るかの正確度・精密度もポイントです。
前半も中盤も後半も同じリズムとペースで高速腕立て伏せを行うのは難しく、持久力が無ければ前半は体力がありペースが速いが、後半は体力が落ちてペースが遅くなります。
“正確無比に動くメトロノームのように制御された”サイボーグのロボットのような機械的な動きを演出することがこの項目の最終形になります。
マシーンのような規則正しい2秒に1回のペースで正しいリズムをキープし腕立て伏せを行うペースのキープ練習法です。
❺フィニッシュポーズが美しいか
❺Finish Pose Beauty Form 5点
アビリティ加点ポイント
最後の屈伸1回の「伸」の瞬間に微動だにせず体が一直線 5点
最後の屈伸1回の「伸」の瞬間の体のラインと動作の度合いで 1点~4点
最後の屈伸1回の「伸」の瞬間に腹が落ちて体が大きく動く 0点
体操競技の選手が鉄棒競技で一歩も動かずにピタッと着地し決めポーズするシーンはカッコイイですよね。
腕立て伏せでも30秒間の競技を終えた瞬間(最後の1回)の静止ポーズの美しさを重視しています。顔が真下でなく斜め前から正面を向いているのも得点に影響します。
駄目な一例は下の写真のようにフィニッシュのラスト1回の屈伸の「伸」を終えた一瞬で「腹が落ちているフォーム」です。腹が落ちているので体をまっすぐ引き上げる為にどうしても最後に体が動きます。
1つ上の写真の位置でフィニッシュ出来れば動くことなくポーズが取れます。
2枚の画像を比べると雲泥の差があると思います。
身体を止めるコツは、最後の45回目の腕立て伏せ1回に集中して意識的に身体をコントロールすることです。フィジカル能力を操るポイントは3つ
❶腹が落ちないように体のラインをまっすぐ
❷顔を正面に向ける
❸肘を伸ばした瞬間から微動だにしない
決めポーズのかっこよさと美しいフォルムを追究することで、有終の美にもなり完璧なフォームの完成度を高めてくれます。
❻手の平の真上に肩があるポジションをキープできているか
❻Correct Shoulder Position 5点
加点ポイント
肩が終始正しいポジションにある 5点
肩が一部正しいポジションにある 1点~4点
肩が終始正しいポジションにない 0点
手の平より肩のラインが手前にある場合は、腕立て伏せの負荷がかなり軽減されます。
筋肉番付の「顎付式」の腕立て伏せを想像してみて下さい。
顎付台が手の位置より少しだけ奥側にあるため、物理的にもどうしても肩の真下に手の平を配置出来ない肩の位置が手の平の手前に傾く負荷が逃げる楽な腕立て伏せになります。
一方、「胸付式」の腕立て伏せマシンで腕立てを行えば、手幅60cmで、手の平の直線上に胸スイッチがあるので、自然と胸の部分でスイッチを押すことになるので肩のポジションは常に正しい位置を保てます。
正しい位置に手を配置することで、身体のアライメントが整い、背中や腰などが適切な位置に保たれます。これにより、腕立て伏せの姿勢と動作がよくなる効果があります。
手の位置と肩の関係による影響を詳しく説明しています。
❼規定回数45回をクリアできているか
❼Specified number Clear 5点
アビリティ加点ポイント
45回以上 5点
44回 4点
43回 3点
42回 2点
41回 1点
40回以下 0点
41回以上から得点は付くので、今30秒で45回の腕立て伏せが出来ない人もまずは40回を目標に1回づつ回数を伸ばしていく練習をおすすめします。
45回以上は何回行っても加点はありません。いかに制限時間30秒間で45回の腕立て伏せを完璧に行うかが勝負の秘訣です。
ストリクトで美しい完璧なフルレンジ・プッシュアップのフォームをキープして30秒間で高速腕立て伏せが出来る限界速度/回数は、腕立て伏せの上級者でも「1秒間に1回のペース」とされていて、腕立て伏せ体操の最上級ルール「1秒間に1.5回のペース」はかなり難易度が高くなっています。
~腕立て伏せ体操30秒間の難易度~
腕立て伏せ上級者は45回 (1秒に1.5回)
腕立て伏せ中級者は30回 (1秒に1回)
腕立て伏せ初心者は15回 (1秒に0.5回)
世界レベルのスピード型の筋肉を持つ私でも腕立て伏せマシンで30秒間50回(1秒間に1.66回)の記録は何度も達成していますが、腕立て伏せ体操のレギュレーションで挑戦したらガクッと回数が落ちます。100点満点を目指す事を最終目標にしている競技なので、45回は簡単なように思えますが相当高いレベルの壁となります。
腕立て伏せ体操の場合は、回数を上げることよりもまずは正しいフォームを身に付けることが先決で、完璧なフォームで30秒間30回を達成した段階で回数を上げる為にフォームを崩さずにスピードアップする練習を始めて下さい。
❽手の幅は肩幅強にあるか
❽Correct Hand Position 5点
アビリティ加点ポイント
手幅60cm以内 5点
手幅65cm 4点
手幅70cm 3点
手幅75cm 2点
手幅80cm 1点
手幅80cm以上 0点
「肩幅強」の手幅が最も筋肉に効果的に負荷がかかり、完璧な腕立て伏せに必要な「脇の角度45度」で脇を開きすぎない理想の動作を自然に行える手幅になります。
肩幅強が分かりずらい人や、毎回同じ手幅で練習を行いたい人は、60㎝に設定して下さい。
この60cmは日本人男性の肩幅の平均値を元に専門家独自の理論で設定しています。
YouTubeを見ていると多くの人が、肩幅の1.5倍からそれ以上のワイドナ手幅でトレーニングしたりチャレンジしています。
確かに多くのフィットネストレーナー達は肩幅の1.5倍を奨めていますが、肩幅の1.5倍だと手幅70㎝前後になるので、注意しないと脇が45度以上に開いてしまうリスクもあり可動域も狭まるので私はおすすめ出来ません。
普段肩幅の1.5倍で練習している人は、手幅を10cm短くしてみて下さい。腕立て伏せの負荷が上がり回数が落ちるのを体感出来るはずです。
手の幅による影響を詳しく説明しています。
❾両足を閉じているか
❾Close Legs Position 5点
アビリティ加点ポイント
両足を閉じていれば5点
概ね足幅10㎝ 4点
概ね足幅20㎝ 3点
概ね足幅30㎝ 2点
概ね足幅40㎝ 1点
足の幅を40㎝以上拡げている場合 0点
腕立て伏せにおいて、「足を閉じる」と「足を開く」は姿勢と体重に影響を与えます。
腕立て伏せを行う際に足を閉じると、足を開いている時よりもバランスを取るのが難しくなり、難易度は高まりますが、この姿勢は、体重を前方に集中させやすく、特に体幹(背中や腹部)の筋肉がより強く働き、安定感が増すので足首から膝、腰、肩までのラインが一直線に保ちやすくなる効果があります。
完璧なフォームを争う競技においては特に「体を一直線にキープ」する能力が重要になってくるので「足を閉じる」フォームは理にかなっていて、足を閉じない楽なフォームよりもフォルムを安定させやすいので足は閉じて行いましょう。
完全無欠のパーフェクトフォームで45回を達成したら、世界でも完全無比な存在になれるでしょう。
世界には私より綺麗で完璧なストリクトフォームで腕立て伏せをする人は星の数ほどいます。ですが、1秒に1回を超える1秒に1.5回以上のハイスピード・プッシュアップで綺麗で完璧なストリクトフォームを30秒間行える人間は見たことがありません。
私が目指してるのは、腕立て伏せ体操アビリティの「筋肉操作×かっこよさ×重力無視×超集中力×正確無比」を習得し『世界一美しい高速腕立て伏せ』をマスターすることなのです。
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